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預金や保険商品が投資サービス法でカバーされると、銀行や保険会社は商品のリスク説明などで厳しい義務を負わされる。
審議会に参加していた銀行や保険業界出身の委員は危機感を抱き、即座に反論した。
「保険や預金は、「投資商品』ではないはずだ」「こと細かに商品のリスクなどを説明するとなると、むしろ顧客に迷惑がかかる」だが金融庁の幹部は譲らなかった。
投資サービス法が本格的に議論されるきっかけをつくったのは、1998年6月に「新しい金融の流れに関する懇談会」がまとめた報告書だ。
この懇談会は当時の大蔵省、通産省など13の中央省庁や N 銀などによる勉強会として立ち上がった。
フェア(公平)、フリー(自由)、グローバルの理念のもと金融分野の規制緩和を進めた日本版ビッグバン(金融大改革)が実現したあと、日本にどのような金融法制を整備するべきかを探るのが目的だった。
日本版ビッグバンをめぐっては、1997年に成立した金融システム改革法成立によって必要な措置がとられたが、制度の見直しは銀行法、保険業法、証券取引法といった既存の金融法制の枠組みの中で行われた。
懇談会は、こうした縦割りの法律を将来は抜本的に組み替えて、横割り、これで議論の流れは決した。
投資サービス法は自分たちには無関係と高みの見物を決め込んでいた銀行や保険会社だが、たちまち同法の規制を受ける当事者となった。
預金や保険には、株式、債券、投資信託のみならず、商品先物、信託受益権、デリバティブ関連商品といった様々な金融商品と同じ販売ルールが適用される。
金融分野で圧倒的な地位を占めてきた銀行や保険会社はもはや特別扱いされなくなり、証券会社、投資ファンドをはじめとする多種多様な金融業者と同じ土俵で戦うことになる。
業態の枠を越えた金融機関同士のバトルが、投資サービス法によってますます激しくなるのは間違いない。
提言のヒントとなったのは、英国における制度改革だ。
金融ビッグバンの本家本元である英国では、幅広い金融商品を横断的に規制する金融サービス法が1986年に成立していた。
銀行や保険会社、証券会社など、金融商品を提供する主体がどこであるかは問題にせず、同じルールを当てはめる画期的な法律だった。
ところが英国式の制度改革を日本に持ち込むこの構想は、しばらく棚上げされてしまう。
1990年代の終わりから2000年初めにかけて、金融システムの安定が揺らいだことが理由だ。
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